奈良は京都と違って、美味しい食べ物や美味しい料理屋さんがない
という話を奈良の人から聞いたことがあります。
しかし、奈良は県庁所在地の駅に行ってしばらく歩くと奈良公園の野生のシカに出会えます。
こんな県は他にないと思います。
身近にあるので「あって当たり前」という感覚になると、
どこかその魅力が薄れてしまうのかもしれませんし、
それはどの地域の人にも当てはまることなのかもしれません。
私は大分県人なのですが、奈良はそんな魅力に満ち溢(あふ)れているように思います。
そこで、ここでは奈良の穴場スポットをご紹介します。
ただ、ここに書く内容はあくまで私の個人的な意見で、
歴史が好きなこともあって、誰にゆかりのあるお寺か?といったことが、
私の中では大きなポイントになっていたりしますので、そのことを先にお断りしておきます。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
奈良観光の穴場 私のおすすめ、法隆寺
(出典「PIXTA」)
まず私がおすすめしたいのが法隆寺です。
法隆寺といえば、聖徳太子ゆかりのお寺。
聖徳太子と言えば、遣隋使の小野妹子(おののいもこ)に渡した、中国の皇帝に宛てた親書の中で、
日本の天皇を「日出(い)ずる国の天子」と呼び
中国の皇帝を「日没する国の天子」と呼ぶという、
何とも大胆な外交を繰り広げていました。
(確かに太陽は東から昇って西に沈むので、地理的にはそうなのですが、
当時の中国に対しては、へりくだるのが普通だと思います。)
その当時は、船で日本と中国を行き来することさえ困難な時代。
そんな時代だからこそ、出来た外交のように思えますが、
一歩間違えれば、どう転んだでしょうか。
聖徳太子は、思いのほか肝っ玉が座っていたのだろうと想像します。
有名なところでは、「十七条の憲法」を制定し、「冠位十二階」の制度を導入。
十七条の憲法では、君子(天皇)についてのことは書かれていないにしても、役人に対する心構えを書いたもの。
憲法があったのだから、このことをもってして、
この頃の日本は立憲国家だったと言い張るのは、大げさなのかな?なんてふと思ったりします。
冠位十二階は、家柄や出自に関係なく、
有能な人材を高い地位につけるという、能力主義を導入したもの。
歴史を紐解(ひもと)けば、織田信長も能力を重視した人物でした。
(農民出身の豊臣秀吉が出世したぐらいですから。)
聖徳太子は何か危機感を抱いていたのかもしれません。
遣隋使の小野妹子は、この制度により高い地位につけました。
また私の個人的な話になりますが、
子供の頃には、どこか神秘的な話が伝わっている聖徳太子が好きだったという記憶があり、
そういった意味でも、個人的に法隆寺の印象は良く、
私は法隆寺で買った数珠(じゅず)を持っていたりします。
境内はとても広く、入口の門に至るまでの参道の幅も広い。
また参道沿いには多くのお店があります。
私は春の桜を見に行ったのですが、桜自体はそれほど多くはありませんでした。
ただ、その時に初めて法隆寺に行ったこともあり、
「ここか」と感慨に浸りながら、広い境内をじっくりと散策したものです。
私は駅から法隆寺まで歩いていきましたが、駅からは距離があります。
バスで行った方が、バス停からの距離は近くなります。
ちなみに法隆寺の拝観料金は、大人1500円、小学生750円になります。
またJRと近鉄の奈良駅から法隆寺までのアクセスについては、こちらをご参照ください。
→法隆寺へのアクセス JR・近鉄奈良駅からのバス電車の料金と時間
料金や時間も記載していますので、参考にしていただければと思います。
奈良観光の穴場 私のおすすめ、唐招提寺
次におすすめしたいのは唐招提寺(とうしょうだいじ)です。
(出典「photoAC」)
唐招提寺は、何といっても鑑真和上(がんじんわじょう)ゆかりのお寺。
鑑真和上といえば、中国から日本に渡ってくる時には、
他の僧侶が日本行きを渋(しぶ)る中、仏の教えを必要としている日本に対して、
「私が行こう」と自ら危険を侵して来てくださった和尚。
何度も遭難しては、渡航にチャレンジするという繰り返し。
一時は遭難した船が東南アジアにまで辿(たど)り着いたこともあるそうです。
それでも日本に行くことを諦めることなく、
その間には、鑑真和上を迎えに来た日本の僧侶も亡くなるなど苦難の連続で、
鑑真和上の目もついに見えなくなりました。
そしてとうとう踏みしめた日本の大地。
ここに至るまで、仲間を失い自らは光を失った。
失ったものの大きさを想いながらも、
日本のためにと、仏の教えを伝える仕事に取り掛かられたのだろうと思います。
そんな鑑真和上の造られたお寺。印象が悪いはずがありません。
お寺の建物も古く、歴史を十二分に感じさせてくれる。
また季節の花を展示することもあり、藤の花や珍しいアジサイ、ハスの花など、
数は決して多くはないのですが、公開時期が決まっているものもありますので
そういった季節の花を楽しむのなら、ホームページの「お知らせ」に公開時期が記載されていますので、是非参考になさってください。
また近くには薬師寺もありますので、唐招提寺に行かれた場合には薬師寺も見て回るのもおすすめです。
ちなみに唐招提寺の拝観料は、
大人・大学生600円、高校生・中学生400円、小学生200円です。
また唐招提寺へのアクセスについては、こちらの記事をご参照ください。
→唐招提寺へのアクセス 東大寺、春日大社からも可能なアクセス
→奈良駅から唐招提寺へのアクセス 電車バスの料金と時間の比較
東大寺や春日大社からも直接向かえますので、奈良の観光に役立てていただければと思います。